老人ホームは、ご家族やご自身が長年住む場所となるので、安易に選択するのではなく、心から納得できるところを選ぶ必要があります。
多くの方が立地や費用で決められていますが、そのほかにももっと重要な選択ポイントがあります。
インターネットや資料でいくら情報を収集しても、いざ入居してみると「実際は違った」って感じる方は少なくないようです。
ある程度まで予算や立地条件が合う老人ホームを絞り込んだら、実際のホームの様子や設備、働いているスタッフを見ることができる「見学」や「体験入所」を積極的に行いましょう。
そこで、今回は有料老人ホーム・高齢者向け住宅を選ぶ際に見学でチェックすべき10のポイントをご紹介致します。
見学でチェックしたい10のポイント
有料老人ホーム・高齢者向け住宅を選ぶ際に見学でチェックすべき10のポイントをまとめましたのでご覧ください。
1.スタッフの質
ホームの住み心地を大きく左右するのが、そこで働くスタッフです。ホームは長く住む住居ですからスタッフの質がよくなければ、希望するサービスがそろっていても満足が得られにくいかもしれません。
ですので、ホームで働いている入居者の表情や、働いているスタッフの姿・スタッフ同士の会話などを見て、ホーム全体の雰囲気を掴むようにしましょう。
たとえば、スタッフはしっかりと挨拶ができているかも重要なポイントです。
スタッフが入居者や来訪者に明るく活き活きと挨拶ができているホームは、入居者との関係性も良く、職場環境も良好である可能性が高いです。
逆に、スタッフが無愛想で挨拶をろくにできないようですと、教育が徹底されていなかったり、職場環境が悪くストレスや疲労が蓄積していることが考えられます。
また、スタッフの身だしなみも同様です。爪が不必要に長かったり、服装が乱れていると、スタッフの意識が欠如している場合もあります。
あと、もう一つ重要なポイントがあります。それは、スタッフの数です。どれだけ手厚いケアが受けられるかは、スタッフの数によって違ってくるといえます。介護付有料老人ホームの場合は、入居者3人に対して介護スタッフ1名以上を配置する「3:1」が国の最低基準です。これよりも多ければ多いほど手厚い介護が受けられることになります。
看護職員の有無や勤務体制(昼間のみ、24時間配置など)、医療機関との連携、日常的な健康管理、機能訓練指導員(リハビリ専門員)の有無、緊急時の対応や体制、看取り体制などもチェックしておきたいポイントです。
2.ほかの入居者
ホームで楽しく長く暮らすためには、既に入居している人たちの雰囲気もポイントのひとつです。入居者の表情が活き活きとしていて、楽しそうであれば、ストレスが少なく満足した毎日を過ごしていると言えます。逆に、入居者の髪型や服装に清潔感がないと職員のケアが行き届いていない可能性があります。
また、入居者の男女比や年齢・要介護度がどれくらいの人が多いかなどもチェックしておきましょう。ランチの時間帯の食堂は、多くの入居者が集まっており、ホームの雰囲気がよくわかります。ランチの試食が可能なら、入居者と一緒に、同じものを食べてみるのがよいでしょう。また、好感が持てるホームには、体験入居してみるとホームの一日の生活全般がよく見えてきます。同時に、これから入居するご家族・ご自身がその雰囲気に馴染めそうかどうかもチェックするようにしましょう。
3.介助の様子でホームの質が分かる
床ずれ防止のために行う体位変換や離床(起き上がること)など、実際の介助の様子を見せてもらうようにしましょう。
最近では、介護職員による虐待なども取り沙汰されています。実際にスタッフが入居者と触れ合い、コミュケーションを取る介助を見せてもらうことはとても大切です。入居者に無理をさせていないか、しっかりと声掛けをしているかをチェックしておきましょう。今後長く住むわれるホームですから、スタッフの質が低いと満足したものにはならないことを念頭に置きましょう。
4.食事の内容や介助を見せてもらう
入居者にとって、ホームでの最大の楽しみが食事といっても過言ではありません。長く暮らしていく上で、食事が合わないと、体調への心配が生まれるばかりではなく、ストレスなど入居者にとって健康面に悪影響を及ぼしてしまいます。食事が合わなくて退去をする例もありますので、メニューの内容や個別対応があるかなどしっかりと確認しておきましょう。
そこで、食事の内容や食事時の介助の様子もチェックしておきましょう。食事中に起きる事故として、誤飲や窒息があります。事故に十分対応できるスタッフ数が食事中にいるか、食事のペースを入居者に合わせてくれているか、などがチェックポイントです。
5.献立で食への工夫を確認する
食事は、生活の満足度を高める重要な要素になります。献立表などをチェックして、献立の傾向を見てみましょう。メニューに偏りがないか、季節を感じられるような楽しみがあるかなど食に対する工夫も確認したい点です。お正月やクリスマス・ひな祭りなどの楽しみや、四季の旬の食材が取り入れられているかもチェックしたいポイントです。また、最近ではバリエーション豊富な食事を提供しているホームも多くありますが、その食事の特徴が入居者の好みに合っているかどうかも大切です。
6.個別食・療養食が可能か
入居者に糖尿病や腎臓病などの疾病があった場合や特定の食材に対するアレルギーがあった場合に、個別対応をしてくれるのかも確認しておきましょう。減塩などの「制限食」、きざみ・やわらかなどの「形状食」の有無、メニュー選択の有無など、入居者の好みに合った食事が提供されるかを確認することが大切です。また、管理栄養士がいるのか、ホーム内で作られているのかも合わせて確認しておきたい点です。
7.建物の清掃が行き届いているか
建物が清潔に保たれているかどうかも確認しておきましょう。清掃が行き届いているホームは、ホームの運営が順調で、細部まで目配りができていることが多いです。しかも!インフルエンザや花粉症への対策意識が高い傾向にあります。
居室やトイレ・浴室・共用スペースなど、見学では施設を一通り見ることができますので、随時この視点を忘れずに見学をしましょう。複数のホームに見学に行った際の判断材料にもなります。
8.設備と住空間
居室の間取りや広さは実際に確認してみないと、不便な点はわかりづらいものです。
廊下は車椅子ですれ違える広さがあるのか、居室も車椅子に対応しているか、ベッドの形状や床材の材質はどうか、浴室設備はどんな身体状態まで対応しているのかなどをチェックしましょう。ベッドやドアの形状・床材なども確認しておくと、転倒や衝突した際の配慮がなされているかを知ることができます。
コールボタンの位置や収納スペース、日当たりはどうか?またテレビやカーテンなどの設備は備え付けか?私物の持ち込みはどこまで許可されるのか?など細部までチェックしましょう。
何年も住む”家”ですので、納得のいくまで確認し、不明な点は質問するようにしましょう。
9.ホーム内環境と外部環境
エレベーターの数・手すりなどの補助設備・リハビリ施設や機械浴室などホームの設備に、入居者が必要なものが揃っているか必ずチェックしましょう。入居者が外出困難な場合、バルコニーや庭など外の空気や自然と接することのできる環境であるかも知っておきたいポイントです。また車の音など外部からの騒音なども見学に行かなければわかりません。
また、入居後の訪問のことも想定しておきましょう。ご入居される方にとって、ご家族の面会は何よりうれしいものです。訪問時間に制限はあるのか、訪問した家族の居場所や食事の用意はしてもらえるのか、宿泊できるゲストルームはあるのかなどもチェックした点です。駐車場の有無や最寄り駅からの距離・交通機関などのアクセス情報と施設の周辺情報も忘れずに確認しておきましょう。
10.イベント・レクリエーションの頻度と種類
ほとんどの老人ホームでは、多彩なレクリエーションやイベント企画を取り入れています。遠足などの外出や餅つき、クリスマスイベントなどホームによって個性を打ち出しています。頻度や種類が多ければ、より充実した生活を送ることができます。毎日なにかしらのレクリエーションを取り入れているホームも少なくありませんので、見学の日を予め合わせることで、様子を確認することができます。別途費用が掛かる場合はその金額の目安なども確認しておくといいでしょう。
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