医療は、日常的に飲んでいる「お薬」のことから「終末医療」、「延命措置」、「尊厳死」、「臓器提供」、「献体」についてどのように希望するのかを終活でエンディングノートに記しておきます。
中でも家族や親類を悩ます問題として「延命治療」があります。
医師から「もう回復する見込みがありません。人口呼吸器のスイッチを切りますか」というようなお話しがあったとき、家族にとって大きな決断が必要となります。
そんなときにエンディングノートに「延命措置は望まない」と書いてあれば家族の精神的な負担がかなり和らぎます。
もしもの事態に備えて、緊急医療情報カードを用意しておきます。
この緊急医療情報カードとは緊急連絡先や医療情報(かかりつけ医・持病・服薬など)を記載したカードで、救急搬送が必要になったときに役立ちます。
財布に入れておくなど身につけておくだけでなく、家の中の目につきやすい場所に貼っておくと救急隊による確認がしやすくなります。
この緊急医療情報カードは各自治体のホームページからダウンロードできる場合があります。
こちらは岐阜市のホームページからダウンロードできる緊急医療情報カードです。
緊急医療情報カードは地域などは関係ありませんのでダウンロードしてどなた様もそのまま使用することができます。
また、エンディングノートの中には下の写真のような「健康状態」の欄がありますので、それを活用されてもかまいません。
終末医療とは、医師から不治の病であると診断がくだされ、それから数週間ないし数ヶ月のうちに死亡が予測される状態になった時、治療よりも患者の心身の苦痛を和らげ、穏やかに日々を過ごせるように配慮する療養法です。
ただ、終末医療を望む場合は、本人の意思表示(事前指示)が必要となります。
本人の意思・事前指示が不明な場合は原則として標準的医療(生命の利益となる延命治療)を実施することになります。
ですので、「突然の病気」や「認知症」などになる前に自分の意思を伝えておくことが大切です。
本人の意思表示を記したものとして「終末期医療の事前指示書」というものがあります。
内容には、「心臓マッサージなどの心肺蘇生法」をはじめ「延命のための人工呼吸器」、「鼻チューブによる栄養補給」などの医療処置に対して「希望する ・希望しない」を本人の希望を書くことができます。
こちらが国立長寿医療研究センターから提供されている「終末期医療の事前指示書」です。
尊厳死とは、人間が人間としての尊厳を保って又は保つために死に臨むことをいいます。
自らのタイミングと薬物で旅立つ安楽死と違って、尊厳死は延命治療を止め人間としての尊厳を保ちつつ旅立ちの日を待ちます。
近年はそう言った尊厳を保った死を迎えたいと考える人が増加しています。
一度延命措置を始めたら、はずすことは容易ではありません。
生命維持装置をはずせば死に至ることが明らかですから、医師がはずしたがらないのです。
その場合、悲しみだけではなく、経済的な問題も家族の負担としてのしかかります。
そのため、万が一自身が命の危機に陥って意識を失った時や判断がつかない状態に陥った時に、家族がその意思を生かせるように事前に意思表示をしておく必要があります。
その意思表示したものが「尊厳死宣言書」になります。
「尊厳死宣言書」は大学病院医療情報ネットワークからダウンロードすることができます。
臓器提供とは、病気や事故によって臓器が機能しなくなった人に、他の人の健康な臓器を移植して機能回復を図る医療です。
現在、臓器の移植を希望している登録者の数は1万3000人にものぼります。
臓器提供の意思表示カードは公益社団法人日本臓器移植ネットワークからダウンロードすることができます。
また、献体とは自分が亡くなった時に医学の発展の為や学生の勉強のために自分の体を役立てて欲しいと希望し、大学や関連団体に提供することを献体と言います。
献体を希望する場合は大学や団体を探します。
亡くなった後はなるべく早く搬送する必要があるため、住んでいる地域内や近くの大学などに限られます。
また、年齢制限が設けられる場合があり、一般的には高齢者が優先されます。
孤独死とは、「自室内で、誰にも看取られず孤独のまま死亡すること」です。
現在、年間約3万人がこの孤独死で亡くなられていて、今後も孤独死はさらに増加していくことが予想されています。
50代半ば以降の男性の孤独死は、女性に比べ圧倒的に多い傾向があり、孤独死の発生件数は60代、70代がピークとなっています。
そこで孤独死を予防する対策としてさまざまなサービスが提供されています。
電話やメールによる安否確認システムや人の目による安否確認、オペレーターによる電話安否確認などがあります。
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